いい出会いをした。
デートは芳しくなかった。
イチオシのカフェで、イチオシのイタリアンで・・・
でも、最終的に印象、、チャラいと言われた。
根暗な自分を奮い立たせたけど、チャラいってのは嫌だった。
彼女は押しても叩いても引いても揺れない、硬い女だった。
やっぱりオレは見た目に振り回されている。見る目がなかった。
でもその気の強さと、確固とした自分を持っている彼女に魅了された。
同時に自分の"真実"とは何なのかを思い出させられた。
あんまり自分が思う以上に、普通の男女が和気藹々とするような話題を話せていなかった。
会話だっていつものようにそんなに盛り上がるものではなかったように思う。
でも、その不器用さの反面、自分が自分にとって
"何が楽しくて、何が嬉しくて、何を求めているのか"
"自分が本当に好きなもの"
それを自分で発見した。
やはり、というか、
オレが一番楽しいのは音楽で、オーストラリアで、英語なんだなーと思った。
オレからそれらを取ったら、ロックンロールじゃなくなる。
ただチャラいだけの社会人が残る。
恐かった。
音楽の事で大人たちにとやかく言われるのが、ムカついて、ネガティヴになるだけだと思った。
でも、本当に恐いのは、オレが音楽もオーストラリアも英語も捨てて、ロックンロールじゃなくなる事で、
自分自身を自分で否定する事だ。
「ホテル行こう」なんて言って、彼女の髪を触って、、
なんてチャラいんだ。「ホテル行こう」なんて生まれて初めて言ったのに
「言い慣れてる」って言われた。
ショックじゃなかった。
行けるとは思ってなかったし、そんな雰囲気じゃなかった。
ショックじゃなかったのは、真実じゃなかったからだと思う。
好きでもない相手と、っと思うと、大袈裟に自分を正当化した。
そりゃあ、やりたかったさ。やりたいから誘ったし、それも全部言ったけど、
自分の中で気持ちがなかったし、何やかんやと
作れるはずの気持ちを作ろうとしなかった。
っと、なんか、彼女には何を言っても揺れないと悟った。
でもそれは、今日という一日の結果であって、それが永久不滅に変わらないものとは思わなかった。
だから今日はオレが女々しい姿を曝け出しても、折れることも、自分を曲げようとしない彼女の頑なさに尊敬の意を。
「今日はダメです」
その突き放すような言葉に、1%の希望を見出す。
いつだってオレはそうなんだから、諦め悪い。
でも、オレはノリが悪かろうが、あの自分を強く持ってる事に惚れだしてる。
自分の言うことをほいほいきくような女は飽きたし、なんか、好きになっちゃったのかもwww
でも、自分の中で、"自分という人間の深淵にある真実"を本当の意味で表せるものは、自分が一番好きな事だと思い知った。
何かに一生懸命になるってこと。
結果は出したいけど、結果だけじゃなくて、、何かに一生懸命に夢中になる事。
それはやっぱり、音楽なんだと思う。
音楽が好きで、音楽なしの人生は考えられない。
社会人になって、夢も希望も否定されて、ただ性的な快楽を糧とするような泥濘に片足突っ込んで溺れかけていた。
違う。
セックスするために一生懸命に女口説くのは、本当の輝きじゃない。
いつだって自分の夢や希望に向かって頑張ってる人は、かっこよかった。
誰よりも人一倍輝いてた。
そんな自分になりたくて、それにならせてくれるのが俺の音楽だ。
普段は目立たない根暗な俺を、輝きのある存在に変え、ステージに上がらせてくれる。
それがオレにとって、オレの存在をいつ何時よりも、輝かせる、表現して、誰かに伝えられるもの・・・
それがオレの音楽で、真実だ。
もう何も恐れずに、恐れないで言える。
オレの一番好きなもの。自分がプライドを持てる事。
自分の言葉で、歌える。オレの言いたい事。
オレが一生懸命になれる事。
オレの夢。
オーストラリアに行く事。
自分の音楽を作って、自分の音楽で勝負して、自分のライヴをして、誰かにオレの真実を伝えたい。
オレの音楽を聴いて、誰かの気持ちが揺れたり、変わったり、そんな大それた事でも、大それた事こそやってみたい。
音楽は世界を変えられる。
けどオレの音楽は、オレの周りの極少ない人々のオレに対する想いと、オレの目に写る範囲の小さく醜い世界を変えるもの。
その中には、あの子やあいつやらや、もしかしたら自分自身さえ含まれているのかもしれない。
一番難しいのは、誰か一人の気持ちに影響を与える事なのかもしれない。
今日オレにチャラいと言ったあの子が、オレの音楽を聴いて、何か変わるかもしれない。
それは多分大衆ウケする音楽を作ってメジャーデビューするのと同じくらい難しいのかもしれない。
でも難しいことをやらないのは挑戦なんてものの価値を失くす。
難しい事をやってのけてこそ、ロックなんだ!
社会人になると、現実的に難しい事や、ハイリスクな事は避けるようになり、周りも同じ風になってしまう。
成長の芽を摘んでしまう。
都合良く逃げる事ばかり増えて、逃げ方ばかりが身につく。
戦うことはしなくなる。
逃げる事は誰にでもできる。でも立ち向かい戦う事ができるのは、本当に勇気ある者だけだ。
一番好きな事から逃げて、楽しいわけが無い。
やるか、やらないかの二択だけで、大きく変わってしまう。可能性を失くしてしまう。
思い返してみろ、オレはもっとロックだったはずだ。
ロックンロールという生き様を語るなら、もっともっとロックにならなきゃいけない。
この世界は醜くて、ムカつく事が多い。
でも、オレはこの世界全てが変わってしまえば、きっとオレもオレじゃなくなるんだと思う。
ムカつく事や、心に影響を与えるものがなくなったら、オレはロックじゃなくなるんだと思う。
そう。
誰かの気持ちを左右したり、誰かの気持ちを変えたいと思って、自分を認めてほしいと思って始めたの
がロックなんだから、そこに間違いはない。
モテるなら音楽でモテたいよ。かっこつけるなら音楽でつけたい。
全ての感情のうねりが密接に"音楽"というCOREとリンクして、オレを突き動かす。
ダメだって言われたって、止まれないんだからw
久々に誰かの気持ちを変えたいと思った。
今までは周りの、オレを見る、見方を変えたいと思っていたけど、心の動きまでに深く入っていきたいと思ったのは、本当に久々だ。そして、その邪まではんかくさい想いがオレを突き動かす。
なんだかワクワクしてる。
オレは高い壁ほど越えたがる性分なんだ。
あの子の気持ち、オレに向かせる!www
オレの真実で!
恋とか、もはやセックスしたいっていう低次元じゃなくて、なんかあの子に認められたいって想ったw
それは恋にも近いかも知れんけど、こういう気持ちは純粋に真っ直ぐ自分の力に変わるんじゃないだろうか。
なんにせよ、ワクワクしてきた。
バンドの活動はもうクソ化してきたけど、オレは燃えてる!!
自分の心の動きを人に伝えるのはなかなか難しいけど、だからこそ、オレは歌を作って、自分の気持ちを表現しないといけない。
不器用なオレなりに。