昨日の話で言いたかったことは、
やはりというか、なんというか。

やはりオレはアーティストなので、こっちに来ても、
目で見るもの、耳で聞くもの、肌で感じるものを通して、
自分の中の想像力や感性に磨きをかけたいと思っている。


そこで、昨日の「何もないから、何もできない、楽しくない」というような、
アンチイノベーション的な言葉を聞くと、それこそ本当につまらないな、と感じるのだ。


イノベーションとは、何だろう?

Innovationを辞書やWikipedia で引くと、

先進技術や最新のアイディアというような意味だと分かる。

けど俺がここで言いたいこと、思ったことは、

イノベーションとは、
自分の中で新しいこと、知らないこと、経験のないことを始めるということ。

人間というのは、経験や記憶を蓄積出来る能力をあらかじめ生まれ持っている。
その記憶装置のスペックは家庭用コンピュータのハードディスク容量を遥かに超えている。

そんな記憶装置でしかも、何だってこなせるハードウェアが全身にまとわりついているのだ。

何もないところへ行ってみろ、
その人が文明社会の中で何も身につけていないダメ人間か、赤ん坊でもない限り、
記憶している経験で、無から何かを生み出せるのだ。
それはその人にとっては、経験の産物ではあるが、同時に新しい環境から影響を受けることで変質し、
全く新しいものとなるはずだ。
それこそ、イノベーションだ。

音楽でも、
新しいものを作るには、古きを知り、その経験から新しいものを生み出せる。

それをするのには、環境は関係ない。

例えば、世界最先端の情報と技術が集まる場所であっても、
その膨大すぎる情報量に飲み込まれ、理解の範疇を超えて、
その人自身がパンクしてしまうかもしれない。

逆に、どうしようもなく人里離れた大自然の中、
情報も技術もそこでは役に立たない。
ただ、人間ではなくイケトシイケルものとしての生存本能。
「生きる」という本能によって無条件になれる。
無条件になることによって、
選択肢もないが、その代わりに、
見るもの聞くもの触れるものに余計な順番や先入観を持つことなく、
吸収出来るようになる。

そして、より野生的で、純粋な感性が研ぎ澄まされていく。
自分の中の世界観が豊かになっていく。

テクノロジーの分野では話にならないかもしれないが、
豊かで自由な発想こそ、より個性的であり、芸術の本来の価値観を発揮する。
アーティスティック。

それは、より自由で純粋な個性であり、
無条件に吸収された世界そのものと、自らとの間で影響し合って生み出される。

それこそ、真のイノベーションなんじゃないかと思う。
 そしてそれは、また無条件に人々に影響を与えることができるのだ。
俺の言葉のように。






ま、やるか、やらないかの世界さ。